金沢退去。尾山神社、県立博物館、妙立寺

11月に入り、長かった金沢での滞在も最終日となった。大体1ヶ月を目安に移動をしてきたが、今回は約6週間。長すぎず短すぎず、ちょうど良かったように思う。次の京都も6週間。季節もいいので楽しんできたいと思う。

金沢での最後の一週間は、近場をうろうろしていた。まずは金沢城近くの尾山神社前田利家を主祭神としている。

利家が没したのは1599年だが、創建は明治の世。正面の神門は和漢洋を折衷した意匠ということで、これだけ見ると一体何の建物なのか全く分からない。

尾山神社・神門

何でも江戸時代の加賀藩は外様大名ということで、藩祖・利家を堂々と祀ることは憚られていたそう。そのため、明治の廃藩置県後の建立となったらしい。思いの長さの分だけ、立派な神社になったようだった。

尾山神社・本殿

また、同日には石川県立歴史博物館にも行ってきた。建物は旧陸軍の兵器庫で、それ自体が国の重要文化財。雰囲気がとにかく重厚すぎて、牢獄のようでもあった。。

石川県立歴史博物館

内部の撮影は禁止だったが、予想外にボリュームあり。当初は油断して展示の量をややなめていた二人だったが、結局、閉館間際まで粘って戦時中の映像なんかを見ていた。

石川県立歴史博物館・窓

別の日には犀川のほうにある妙立寺も見てきた。ここは建物内の構造が特殊で、別名忍者寺とも呼ばれる。

ここも堂内撮影禁止だったが、寺なのに4階7層もあり、落とし穴やら隠し扉やら、随所に戦に備えたからくりが。金沢城の有事の際に代替の司令部として機能したそうだ。

妙立寺

五方向に通じる部屋や、一度入ったら出られない四畳間。透かし階段のほか、隠された高層階には風流にも茶室まであり。約40分間のガイド付きでしっかり楽しめる面白い寺だった。

SHAN的にもツボだったらしくここには大喜び。いつかこんな家を建てると意気込んでいた。四畳間に閉じ込められないように祈りたいと思う。

その日のランチには前回氷見で良かったきときと寿しへ。といっても、今回は金沢の西隣にある野々市市の支店。本店とは違いタッチパネル完備のやや洗練された感じの店。

きときと寿し・野々市店

寿司は美味かったが、本店にあったネタがいくつかなかった。そして、前に正解だったのどぐろの塩焼きも頼んでみたのだが。。

きときと寿し・野々市店ののどぐろ

「なんだこの金魚?」と心の中で思わず叫ぶことになった。明らかにサイズが本店の半分から1/3。ちょっと失敗だった。まあ価格から考えたら、本店のほうが変といえば変なんだが。。他に氷見うどんも食べたが、寿司屋のものだけにぼちぼちという感じ。

その週は他にも、SHANの前の会社の社長が金沢出身なので、
おすすめリストをもらっていくつか店をまわってきた。

これはハントンライスキッチンすぎの実で食べた。今までに一度も聞いたことのない料理だが、オムバターライスの上に白身魚のフライという組み合わせ。定期的に食べたくなりそうだったが、SHANの好みには合わず。

キッチンすぎの実のハントンライス

これまで何度か挑戦してきた金沢カレーのほうは、その後もいくつか新しい店をチェックしてきた。まずは県庁とヤマダ電機の裏にあるゴールドカレー本店。

ゴールドカレー本店

ここの特徴は何と言っても豊富なメニュー。金沢カレーといえばカツやウインナー、エビフライが定番だが、ここは牛すじやらハントンやらバリエーションが豊か。

珍しいのでハントンカレーを食べたが、うまかった。ただ、控えめなルーが卵によってさらに中和され、味がちょっと大人しくなりすぎてしまった感も。次回行くことがあれば通常のエビフライを試したいところ。

ゴールドカレーのハントンカレー

また、金沢を発つ前日の昼に行ったのはカレーの市民アルバ。家から近い場所にあったが、首都圏にも展開をしているようだ。行ってみると狭い店内だったが、満席で待つことに。

カレーの市民アルバ

ここではエビフライと全部乗せのホームランレディースを注文。見た感じいつものようなサイズ指定はなく、食券システムでもない。

アルバのエビフライカレー

しかし、出てきたのはしっかりそのまんま金沢カレー。ただ、味のほうはかなりデミグラス濃厚な感じ。ビーフの形が残っていて、今までで一番まろやか。エビフライはかなり小さかったが、悪くない味だった。

だが、最後の週を最も鮮やかに彩ったのはこの店だろう。これも社長のおすすめで知った、第七ギョーザの店。場所は兼六園を南の方に行ったところでイオンの向かい。

第七ギョーザ

看板メニューはホワイト餃子だが、他にも蒸餃子、水餃子、焼き餃子などひたすら餃子が並ぶ。周りの人達はこれらと白いご飯をガンガン食べている。

第七のホワイト餃子

まさにB級グルメの王道といった感じだが、大人気店で土日などは店内に大行列ができていた。カップルも多く、金沢大学生にとってはソウルフードとのこと。

第七の蒸餃子

最初はおっかなびっくりだったが、ガリガリに揚がった皮と野菜の食感が徐々に気に入ってきた。SHANも元々サクサクしたものが大好きでありしかも中華。具入りラー油たっぷり+酢多めの絶妙なたれの調合も見出し、寿司とカレーが多かった反動もあってか3~4度行ってきた。

出発の前には頼まれた土産を買いにエムザや駅の百番街へ。自分用には源の鱒寿しと、地元の玄米を2kg買ってきた。
農園食堂で食べてどうしても欲しくなったからだが、白川郷米や通常の米と合わせて結局ストックが6kgに。もう来年まで米を買う必要は一切なさそうだ。

源のます寿し小箱

金沢の玄米

当初は何度か行った事もあるのでどうかなと思った金沢だが、6週間しっかり満喫できたように思う。海外生活の長い人が、日本の地方にも本当に色々な個性がある事に気付いたと言っていたが、海外に出ないまでも、住むとやはり街によってはっきりと色彩が違うのは分かる。

金沢の家

当然、自由と責任は両輪なので楽しい日ばかりじゃなく、仕事で良くない日には精神的に塞ぐようなこともまだあるが、一つのことに捉われず、それも含めた生活のすべてを楽しみたい。どんな場所、どんな状況でも楽しむ感性を忘れないようにしたい。

次の京都で今年の移動も最後になる。将来に向けて小さく舵を切り始めた2012年。しっかりと締め括ることができたらと思う。

金沢の夜

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