大正浪漫の薫る温泉街。銀山温泉

先週末は天気に恵まれたので、かねてから写真を見て気になっていた銀山温泉に出掛けてきた。銀山温泉は大正時代のレトロな旅館が立ち並ぶ山間の温泉地で、山形市からは北へ約60kmの場所にある。

仙台とそう変わらないので意外な遠さに驚きつつも、まずは東北地方を縦走する国道13号に乗って、天童市、東根市、村山市と一気に北上。ランチはその村山市で有名だという最上川三難所そば街道に立ち寄った。

あらきそば

入った店は大正9年創業の有名店あらきそば。ここで山形名物の板そばを食べることにした。約180年前の古民家だという店内にお邪魔すると、メニューはさすが、こだわりの板そば一択。

そして出てきた板そば。盛り付けの板のでかさにまず目が行くが、本当に凄いのはその麺の太さ。割り箸の先くらいある角の立った極太のそばはまさに衝撃的だった。

あらきそばの板そば

これをワサビはつけず、好みで一味をふって食べるのだそう。大丈夫かと思いShanを見ると「コシがあってウマイ」とか言いながら結構進んでいる。。こちらも負けずに完食して、やたらと達成感のある昼食に大満足。

そして食後は再び銀山温泉へと向かう。途中、桜の綺麗な堤防があったので少し寄り道したが、空が霞んでいたのがやや残念。

堤防の桜

桜の足元には無数のつくしを発見。佃煮にしてやろうかと考えていると、見てる方が恥ずかしくなるようなつがいを見つけた。

絡み合うつくし

村山市を越え、ひとつ北の尾花沢市からは思ったよりも平坦な田舎道を東へと進んでいく。するとようやく銀山温泉の看板が見えてきた。砂利の駐車場に車を置き、くねくねした坂道を下るとまずはバス停。そしてその先には目指す温泉街。

銀山温泉のバス停

谷間の銀山温泉

秘境というほど険しい山奥ではなかったが、それでも明治大正の時分には町との往来に一日かかったそう。中央を流れる銀山川の両岸には、宿が十数軒と土産物屋なんかが並んでいる。

しろがね橋からの銀山温泉

この場所はその名の通り、江戸期にまず銀山として栄えたそう。最盛期には2万人もの人が生活していたらしい。閉山後は急速に廃れてしまったが、温泉が出ていたことで、湯治場として現在に至るまで命脈を保ったのだそう。

永澤平八付近

温泉街の突当りは滝になっていて、その先で旧銀坑が見られるはずだったが、この日はまだ残雪が厚くてあいにく侵入できず。

白銀の滝

仕方なく土産物屋を巡って、あとはカレーパンを食べたり、足湯に浸かって豆腐を食べたり。夕方にはしろがねの湯という日帰り温泉にも入浴。湯ノ花の踊る透明な湯でリフレッシュ。

しろがねの湯

これだけでもだいぶいい時間になったが、どうしても黄昏時の風景が見たくてさらに日没を待つためカフェへ。洒落た店内を撮らせてもらったり、抹茶と珈琲片手に仕事話なんかをしていると徐々に明かりが灯ってあたりはいい色に。

夕暮れの銀山温泉

黄昏の銀山温泉

パンフレットで見たのはまさにこの光景!と喜んだのも束の間、日が落ちて急激に冬の気温に逆戻りしてきたので、軽装の現場ではかなりの気合いが必要だった。しかしめげずに温泉街一周。

黄昏時の能登屋

銀山温泉のガス灯

と、まあ気が済むまで雰囲気を堪能した後は駐車場の方へと戻った。泊り客はみな宿へ引き上げ、日帰り客もすでに影はない。寂しげな山の坂道で「クマに注意」の看板を見てShanがどう注意するのか聞いてきたが、手に持った熱いそば茶を見て「来たらこれでもかけてみるか。。」としか答えようがなかった。

幸いクマとの残念な出会いはなく、尾花沢市の市街地へ戻ってからは名物の尾花沢牛ラーメンで夕食。これは牛スジラーメンに名物のスイカの漬物が乗った一品で、牛の旨みと漬物の辛味&酸味が予想外の調和。

尾花沢牛ラーメン

山菜鳥丼

もう一品の山菜鳥丼は味はほぼチャーハンだったが、焦がし醤油のような香ばしさがあってうまい。ハンバーグからエビフライまで何でもあるような柏屋食堂という店だったが、どちらもおいしくいただけたので良かった。

そこからは1時間半ほどかけてホームの山形市へ帰還。馬見ヶ崎ラインの夜桜ライトアップが目に入ったのでついでに通り抜けようとしたところ、自分の車が差し掛かった瞬間に照明を落とされるというオチがあったが、大正浪漫に温泉にと十分に満足。まだまだ気になる場所は多いので来月も順次周ってきたいと思う。

大正浪漫の薫る温泉街。銀山温泉」への4件のフィードバック

  1. SAWA

    くっ、昭和の日に昭和を通り越して大正浪漫を味わっているあたり
    憎い演出ですな!
    板そばはちゃんの写真でも見せてもらったが美味そうの一言に尽きる。。
    細麺よりも太麺派な身としては死ぬまでに一度は食べてみたいあらきそば。
    もちろん大盛で♪

    銀山温泉、凛とした印象の建物から溢れる柔らかいオレンジ色の灯りは
    なんとも風情がありますな。
    温泉巡りはあまり好かないが、これだけ雰囲気があると酔いしれて
    幾つか湯に浸かりたくなるかもしれん(`・ω・´)

    今回は食事も風景もしっかり満喫させてもらいました~(´ー`)y-~~

    返信
    1. ari.d5233 投稿作成者

      ああ、昭和の日だったのねw
      日本昭和村にでも行くべきだったのか。。
      板そばは盛り付けが珍しいんだろうなあと軽い気持ちでいったら、
      とにかく太さが半端なかった。まさにキングオブ田舎そば。
      大盛とかつるとんたんの二の舞にならなければいいが。。
      そのうちぜひぜひ行ってきてくれい b

      温泉街はそんなに大きくないんだけどね。
      山崩れ防止のむき出しのコンクリートをなんとかしてくれたら、
      もっと景観良くなる気がする。
      建物は全部かなり雰囲気あって、半日くらいまったりするには最適だったよ。
      さていよいよGWだが新ゲーは決まるのかどうか。。

      返信

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