京都の紅葉第三弾。泉涌寺、東福寺

昨日は米国の感謝祭。欧米は企業決算も一部始まり、毎年クリスマスに向けて徐々に休みモードに入る時期。この日が来ると、また一年が過ぎたんだなと実感する。

特に昨日は日本も連休前なので、市場の商いは薄い。数日缶詰だった事もあり、この日は時間を取って紅葉観光へ。昼前から、まずは東山区にある泉涌寺に行ってきた。ここは真言宗の名刹で、皇室の菩提寺でもある。

泉涌寺の大門

正面の大門をくぐると、左手には楊貴妃観音堂がある。安置された木像は唐の玄宗楊貴妃を偲んで作らせたそう。それが留学生の手を経て、ここまで伝わって来たらしい。ドラマで鍛えた野史の専門家のSHANが入念に見学。

楊貴妃観音堂

ここの仏殿、舎利殿の配置や造りなんかはまさに唐様。13世紀、中国・南宋の影響を受けた伽藍配置とのこと。南禅寺の仏殿に似て、サイズが大きくなかなか迫力あり。

泉涌寺の仏殿

泉涌寺の舎利殿

そしてその先にある御座所の庭がこの日の目的地の一つ。襖に列女伝の場面が描かれた部屋をいくつか通り抜けると、艶やかに色づいた美しい日本庭園が眼前に広がる。

泉涌寺の御座所庭園・右手より

泉涌寺の御座所庭園・左手より

紅葉の具合はまさに今が見頃といったところ。縁側に腰を下ろして、しばらくの間ぼーっと眺めていた。

その後は厄除け蕎麦をたぐり、皇室の御陵なども見た。この時期なのに、全体的に警戒したほどの混雑もなく、来て正解だったなと思える非常にいい寺だった。

そして泉涌寺を見た後は、そのまま徒歩で次の目的地へ。裏手の細道を辿って、有名な東福寺を目指した。

東福寺の道案内

歩いてほんの10分程度の距離なんだが、東福寺の参道が近づくと格段に人の数が増えた。やはりメジャーな観光スポットは違うらしい。中には着物姿の人もいて風情を添えてくれていた。

東福寺の参道

小腹が空いたので途中、露店で焼き餅を買い食いし、人の流れに乗って広々とした開放感のある境内の中へ。本日第二の目的地である紅葉の名所・通天橋に向かった。

東福寺の境内

人込みの中で順番を待ち、ようやく橋から両側の景観を望む。空が高く傾いた陽がいい色味。華やかな秋を感じる絶景だった。ただ人がとにかく多いので、のんびり眺める事はまず不可能。

通天橋からの景色・右手側

通天橋からの景色・左手側

そのまま一方通行の流れに従って橋を降りた後は、みな美しい紅葉をバックにしばらく撮影タイム。中には兵器かと思うくらいごつい一眼レフを持った人も。

東福寺の椛

紅葉をしっかり堪能してからは方丈庭園も見てきた。東西南北四つある庭園を併せて「八相之庭」という。昭和の著名な作庭師である重森三玲の作だとのこと。

方丈庭園入り口

東福寺の南庭

東福寺の北庭

そのほか境内の奥では国宝・龍吟庵の特別公開もあった。こちらも方丈を囲むように、無の庭、龍門の庭、不離の庭と、枯山水の庭園が並ぶ。ここの扁額の揮毫は足利義満らしい。解説があるのが親切だったが、無の庭だけは説明不要だった。

龍吟庵・無の庭

龍吟庵・龍門の庭

龍吟庵・不離の庭

そして龍吟庵を見終えると、すでに夕暮れ時になっていた。帰り道の途中、夕陽で赤く染まった仏殿がまた美しくて、何百年も変わらずここにある何でもない景色に何だか心が洗われた。

夕焼けの東福寺仏殿

とかく目の前の仕事や生活に追われると、どうしても視野が狭くなりがち。そんな時たまに、こんな場所で悠久の歴史に思いを馳せてみるのも悪くない。綺麗な紅葉も見て、また新鮮な気持ちで翌日から頑張れそうだ。

東福寺の夕日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です