中国春節の旅2014 ~湖北編~

今月の中旬は兼ねてからの予定通り、Shanの家を訪ねて約2週間、旧正月(春節)で賑わう中国を旅してきた。北京から湖北省の省都である武漢を経由して、同省内の監利という町を目指す。

湖北省といっても日本人にあまり馴染みはないが、、または荊州と言えば歴史好きな人はピンと来ると思う。Shanの育った監利という町は長江沿いに位置し、古くは江南と呼ばれた豊かな土地。近隣には赤壁や華容道といった三国史ゆかりの史跡も点在している。

出発2日前に関東で大雪が降ったため、あやうく今年の初旅行が延期スタートとなりかけたが、間一髪で影響は避けられ無事北京へ。途中の品川駅ではJRがダイヤの乱れを豪快に開き直っていた。

全部雪のせいだ

北京に着いたのは現地時間の夜11時頃。空から眺めた北京の夜景は煌々と輝いていて、空気の方は想像ほど悪くはなさそうだった。

空から見た北京の夜景

その日のホテルは空港の近くに取ってあったが、歩けると思った道が自動車専用だったため結局タクシーに乗ることに。若い客引きが寄ってきたので一応値段を聞いてみると、笑顔で平然と1kmの距離を100元(約2000円)と言う。完全なボッタクリだが、久々に海外に来たんだなあと実感できてなぜか嬉しくなってしまった。

その後、つかまえた正規タクシーの運ちゃんもホテルの場所が分からず、地図を頼りに二人で探し回る羽目になったが、最終的には何とかチェックイン。翌朝はさらに国内線で武漢へと移動した。

武漢上空

武漢の空港ではShanの幼馴染のレイレイ君が平日にもかかわらず迎えに来てくれていた。初対面のときには確か学生だった彼も、今は建築関係の仕事に励む既婚者で、まもなく一児の父となる。今年中に日本車を買いたいが、ちょっと高いと笑っていた。

ターミナルに着いて監利行きの長距離バスに乗るまでの間、何気ない会話ばかりだったが、結局食事やバスの代金は最後まで受け取ってくれなかった。以前と変わらず親切にしてくれた彼には感謝。

監利までの長距離バスの車内

よく跳ねる満員の長距離バスの最後部に、両側男という暑苦しい布陣で座り続けること約3時間半。ようやく監利のバスターミナルに到着。ここで1ヶ月早く帰省していたShanとその家族と再会。

Shanの家の扉

それからの9日間はShanの家に泊めてもらい、中国の年越しを存分に楽しんできた。料理はもちろんすべて中華。なかなか日本では味わえない地方独自の料理をいろいろと食べさせてもらってきた。

スペアリブの火鍋、イカとキクラゲの炒め、鶏と野菜の煮込みスープ、田鰻の炒め、スッポン料理、黄骨魚という川魚や、泥嵩という独特な香りの野菜、香菜、菜の花、三蒸、米豆腐、貴妃洗澡。。

黄骨魚

蒸菜

湖北省の味付けは基本濃いめ、辛め。そのため香り豊かで度数の高い、地酒の「白雲辺」やおじさん手製の「薬酒」が本当によく合う。これらを中国式の円卓で家族、ときには親戚や友人と囲んでワイワイ食べるのがここでのいつもの風景。

また家の外はというと、2年ぶりの監利の街は道路の舗装が一新され、新しい病院や高速道路が完成、高層マンションも建つなど、インフラ類の急激な進化に本当に目を見張った。

監利の新しい高層マンション

この中百集団はイオンとも提携している大手ショッピングモール・チェーン。日本の時計や化粧品類なども買えるが、売場のアイテムの値段はもはや日本を凌いでいて、インフレの恐ろしさをまざまざと見せ付けられる場所。レストランとスーパーを楽しむのが吉。

中百集団スーパー

中百スーパーの内部

一方、街角には昔ながらの市場や屋台、個人商店なども健在。特に注目は坦々麺、刀削麺などと共に中国五大麺料理に数えられる熱干麺の店。芝麻醤ベースのタレと、葱やザーサイなどの薬味をやや太めの麺に絡めて食べるここの名物料理で、自分も大好物。

張記熱干面館

張記の熱干面

着いて数日後には分塩という田舎町にも行ってきた。ここはShanのお父さんの実家のある場所で、車で1時間程のところにある。みなが言うには、ここが正真正銘の中国の田舎だそう。

分塩の老街

分塩の田畑

綿花畑の広がるのんびりした景色の中、親戚のおばさんの家に一泊。Shanのお爺さんは人懐こそうな容貌だが、今でも何でも自分で済ませる上、毎日新聞や本で勉強を欠かさないという。かけてもらった言葉と共に、その姿が今回は妙に強く印象に残った。

2月14日の日は元宵節といって、正月15日目にあたる春節最後の夜。この日は長江の畔で孔明灯を見てきた。願いを込めて空に放つ小さな熱気球で、空に向けた灯篭流しのようなもの。ディズニー映画の『塔の上のラプンツェル』にも登場する幻想的な行事。

元宵節の夜

孔明灯を放つ

自分も同じマンションのおじさんにレッスンを受けながら一つ上げたんだが、間近で見ると結構火が大きく、風が吹くと持っている手が熱い。そうして焦って放った結果、あえなく願い事を忘れ、初の孔明灯はあっという間に空の彼方へ。。

元宵節の後もShanの友人や以前千葉で会った親戚の弟など、いろいろな人と食事に出掛けた。政治関係の話で困るような事は一度もなく、みな本当に親切に接してくれたので、今年二度目の正月をゆっくり楽しむことができたと思う。帰路には北京に3泊滞在して遊んできたが、それについてはまた次回残しておきたいと思う。

夜の帰り道

中国春節の旅2014 ~湖北編~」への2件のフィードバック

  1. SAWA

    恒例の中国旅行お疲れさん!
    関東の猛烈な雪をニュースで見てこりゃ無理かと思ったが
    無事に飛び立てたみたいで何より。

    北京の夜景キレイやね~、翌日のフライトでは大気汚染の影響が垣間見えるがw
    分塩、映画にも出てきそうでいい雰囲気じゃん。
    やはり都市部よりも田舎の景色の方がネイチャー要素が強くて気になってしまう。
    孔明灯はテレビで見たことあるが、意外と難しいもんなんやね。
    手を離した瞬間に紙に火が移って燃えるみたいなテレビ用の演出なのかと
    思ってたが、願い事もできずで似たような結果に…w
    来年こそは大切な願い事を宵の彼方に届けてください!

    返信
    1. ari.d5233 投稿作成者

      実際には当日は雪のせいで東関東自動車道が全線50km/h規制。
      そのせいで発見してしめしめと思ってた900円のお値打ち高速バスを、
      急遽成田エクスプレス3,110円に変更するという微妙な影響はあったのだが。。
      まあたしかに無事飛び立てただけでもよかったです b

      写真はカメラ持っていくのを泣く泣く断念したので、
      ひたすらiPhone氏に頑張ってもらったが、やっぱ悔いが残る…TT
      いつも同じ事言ってるけどかさばっても持っていくべきだった!

      そして孔明灯だが、これはかなりデンジャラスだったで。
      持ってる人も熱いが、熱気のたまりが不十分なうちに放つと、
      ふらふら降りてきて他の人の頭に着火しそうになったりする。。
      イギリスでは工場に落下して火災になったとかならなかったとか。。
      タイや台湾でもやるそうなので、もしご旅行の際に出会ったら火の用心で!

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