満開の桜と春の山形。霞城公園、専称寺

今年は中国で旧正月を過ごしたために年越しが2月になり、今度は東北に来たおかげでようやく桜が満開と季節感がズレズレになっているが、先週の土曜日には山形市内で真っ先に満開となった霞城公園に、Shanとその桜を見に行ってきた。

普段は渋滞や混雑のほとんどない街だが、この日ばかりは公園の周辺を避けて繁華街に駐車し、徒歩で向かった。東門に続く直線まで出たところで、まずは華やかな桜並木がお出迎え。

霞城公園の東側の道

細身で背丈もそれほどない桜の木だが、花づきが良くて見応えは十分。この花の感じを表現するのに「もこもこ、ぶりぶり」しか思い浮かばない自分の語彙の貧困さに辟易したが、Shanに何かある?と聞くと「ぷりぷり!」とそう大差なし。。

霞城公園東門外の桜

霞城公園東門外の桜のアップ

この霞城公園は”かじょうこうえん”と読む山形城の城址。17世紀に現在の形に整備され、明治の取り壊しを経て平成の世に再建。天守は元々なかったらしい。

山形城の”霞城”という別名は、関ヶ原の合戦の折、上杉家の直江兼続軍が付近の山から城の様子を伺ったところ、10日待っても「霞で何も見えねぇ」となったことに由来する。なお、その山の方は”十日見”が転じて”富神山”と呼ばれるようになったそう。

霞城公園東濠の桜

そして現在では約1,500本の桜が咲き誇る山形市随一の桜の名所となっている。そんな訳で公園の東門からはさすがの人出。

霞城公園東門

人の流れに沿うようにそのまま公園内に入って行くと、まずは出羽国の名君、最上義光の像が目に入る。甥っ子の伊達政宗のような知名度こそないものの、文武に優れた大人物だったという。

最上義光像

さらに先へと進むとそこはお花見ゾーン。屋台には定番の焼きソバやたこ焼きなどのほか、すでにお馴染みとなった玉こんにゃくも発見。これはビールが欲しい。。

屋台の玉こんにゃく

霞城公園の花見客

ちょこちょこと買い食いした後は、桜の合間を縫うように園内を一周。周囲には満開の桜の花、遠目には蔵王の山々。翻って自分というものを見るとなんだか背筋が伸ばされるような思い。

蔵王と霞城公園の桜

その後は公園を後にして、東隣の最上義光歴史館を見学した。そう広くはないが入館は無料。ガイドさんの話が面白かった。

曰く、最上義光という人の一番の功績は最上川を治水し、山形の米作の基礎を築いたことじゃないかと。確かに先日買ったつや姫という山形米は掛け値なしに本当に美味い。後世に長く残る業績という意味では尤もに思われた。

最上義光歴史館

また、義光公には非常に美しい駒姫という娘がいたそうだが、豊臣家に度々強いられてやむなく嫁に出したところ、お家騒動に連座させられ若干15歳で処刑されてしまったらしい。

義光夫妻のその時の悲しみようは大変なものだったらしく、それがために徳川家へと傾斜を強め、関ヶ原では東軍に味方。結果として出羽山形藩57万石の隆盛を築くことになったという。

いわゆる歴史の悲話だが、山形の寺町にはその駒姫さんのお墓があるとのこと。近いので最後にその専称寺にも立ち寄ってみた。

専称寺

専称寺の解説

ここも桜は満開の様子。儚い美しさという意味ではおあつらえ向きだったが、墓は人目を憚るように裏手にひっそり作り置かれていた。司馬遼太郎が以前「戻りたい過去の時代なんてない」と言っていたが、本当に昔は不条理ばかりの世界だったと思う。

そう思うと自分はいい時代に生まれたなと。だから小さな事でくよくよせずに頑張ろう、などと最後はこじつけっぽく締めてから、その後はWebの更新作業の溜まった部屋に戻りまたコツコツとPCに向き合ったのだった。

小さな桜

満開の桜と春の山形。霞城公園、専称寺」への2件のフィードバック

  1. SAWA

    この桜を初見して浮かんだ言葉は「もりもり」。
    擬音語にしてしまえば所詮そんなもんでしょ~(^^;)
    しかし枝から零れんばかりの見事な花びらですな!
    やはりソメイヨシノとはまた別品種なんだろうか?
    写真の方は副題になる背景の入れ方がお上手で◎
    地名をさりげなく入れるあたりがこだわりを感じますな!

    数少ない花見でもしっかり青空の下で宴会気分を味わってるのが羨ましい。
    数えてみれば、こちらはスポットで換算すると7箇所巡ってたわけだが、
    写真を撮るためだけに歩いてたんで何か物足りず。。
    来年は花見帰省お待ちしております!

    返信
    1. ari.d5233 投稿作成者

      うーん、もりもりですか! やっぱり変わらんねw
      ここは1400/1500本がソメイヨシノらしかったんで、
      写真の並木もおそらくそう。
      ほかにもシダレたやつが妙に人気あったよ。
      ファミリーや大学生が多くて落ち着いた感じの花見をしてた。

      計7か所はなかなかよく行けましたなあ~
      この日は飲む相手もいないんで渋く烏龍茶で花見してたが、
      名古屋での花見っていうのもほんとにしてないねぇ。
      またゆっくり戻れるようになったらぜひぜひ b

      返信

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