この前、NHKスペシャルで「仁淀川 青の神秘」という番組がやっていた。仁淀川とは、2010年の調査で水質が全国一に選ばれた高知県の清流のこと。
高知に行く前に身内からきれいな場所だと聞いていたが、この番組の美しい映像を見てますます行きたい気持ちが募り、晴天の日曜となった昨日、朝からshanと二人で仁淀川を目指した。
まずは「ごめん電車」で馴染みの国道33号を西へ。今回初めて高知市を出て、日高村、越知町と山道を走り、約1時間で最初の目的地、片岡の沈下橋に到着。仁淀川と並走し始めてからは信号もなく、スムーズな道中だった。
山間の小さな村に架かっていた沈下橋。川の水はまだ番組に出てきたような「仁淀ブルー」ではなく、深いグリーン。ただ、その透明度の高さにはやはり驚いた。
また、ここは高知を舞台にした映画「君が踊る、夏」のロケ地でもある。この欄干のない狭い橋を主人公と恋人が歩いていると、軽トラックが走ってきて落ちそうになる、というシーンが序盤にあるが、ふらふらしていると本当にそっくりな軽トラックが横を走り抜けていった。映画に出てたのあの車とおじさんじゃないか?なんてshanと話す。
ロケ地を存分に楽しんだ後は、さらに仁淀川の上流を目指して進んだ。徐々に道は狭くなり、一車線分の幅しかない場所にも対向車が来て、しかも左はガードレールのない崖、なんてところもあり大変だったが、満開の桜など途中の景色がきれいで疲れは感じなかった。
昼食はドライブインで鮎の塩焼きを食べた。旬ではないかもしれないが、渓流のムードは満点。持ってきたおにぎりも一緒に食べる。
腹が一杯になった後、さらに奥へと進んでいくと、川原の石が大きく角ばってきて、仁淀川の様子が変わって来たのが分かる。
そして出発から約60km、大渡ダムに到達。ここはもう愛媛県との県境に近い場所だが、この少し上流で面河川と久万川が合流して仁淀川となるため、大体この辺が仁淀川のスタート地点と言ってもいいかもしれない。
道は松山まで通じており、すでに半分弱来ていたため、shanと半ば本気でこのまま松山観光に行ってしまおうかとも考えた。
ただ、冷静になるとまだ番組で見た「仁淀ブルー」を見ていない。ダムの付近を見回してみても、川面は相変わらずの仁淀グリーン。一体どこへ行けば見ることができるのか分からず、二人で車内に戻って黙々と携帯で検索を始めた。
すると、仁淀川にはいくつも支流があり、そちらの渓流のほうが求めているイメージに近いことが分かる。そして、断腸の思いで松山プランを放棄し、距離の一番近かった中津渓谷へと向かった。
その中津渓谷にはものの5分で到着した。入口の駐車場に車を停めて、ここからは徒歩で渓流沿いの遊歩道を進む。
細い橋を渡り、巨岩の間を抜けて行くと、水が少しずつ青みを帯びてきた。
さらに曲がりくねった道を行く。落石注意の看板がいくつもあったが、どうやって注意すればいいのかいつも悩む。
すると、ようやく念願の仁淀ブルーに出会うことができた。
雨竜の滝では僅かに差し込む光に虹がかかっていて、それが炎のように揺らめいていてきれいだった。
さらに続く仁淀ブルー。
そして、最後に登場したのは吊り橋。やたら揺れる上に、足元は金網の網目から20~30m下が丸見えになっていて、高所恐怖症では絶対に渡れない危険なスポットだった。恐れ知らずの子供なんかと鉢合わせなくて本当に良かった。
帰りはアスファルトの迂回路から駐車場に戻った。今度こそ仁淀川を堪能した気分になれたが、あと一箇所、どうしても寄りたい場所があった。それは、河口。せっかく始まりを見てきたのだから、やはり終わりも見てみたい。
河口までは大体1時間半ほどかかった。高知市ではなく土佐市のほうへ向かうのだが、途中に思わぬ山道が続いたため、時間を食ってしまった。
中央の橋は黒潮ライン。東へ行くと先日の桂浜や、高知龍馬空港に続いている道。海岸沿いに車を停めて、砂浜を歩き河口に到着。
海から押し寄せる波と流れ込む水がぶつかり合って、左右から折り重なるように複雑な波しぶきを見せてくれたが、分かりやすい写真が撮れなかったのが残念。
河口を見終わって、気がつくと時間はもう18時近くになっていた。ここでshanが自画自賛の一枚を撮影。タイトルは「仁淀川の夕日」。
砂浜と言うことでベタな一枚もパシャリ。
その後、高知市内に戻り、外で食事を済ませて帰宅した。初めて高知市に来たときはのんびりした街だなと思ったが、今日帰ってきたときには、えらく都会に見えたのがおかしかった。
夜は龍馬伝の第3~4話を見た。幕末の歴史に詳しくないshanには、このドラマは大筋をつかむのにたぶん最適だろう。ただ、月曜の朝は早いので0時頃には就寝した。