先週の土曜日は有名な黒部ダムを見に行った。場所は長野と富山の県境だが、松本からは意外と近くて約50km。まだ雪の残る山々を横目に、まずは隣接する安曇野市を北へ走った。
道の途中、安曇野スイス村という施設を発見。”村”のわりに建物が一つしかないので今回はスルーしたが、裏手には併設でホースランドやワイナリーもあるらしい。安曇野は他に美術館やわさび農場もあるのでまた来たい所。
安曇野市を抜け、約1時間程で大町市の扇沢駅に到着。ここが立山黒部アルペンルートの長野側の出発点とのこと。駐車場に車を停め、関西電力のトロリーバスに乗り換える。
そこから県境をまたぐ古いトンネルを走り黒部湖駅へ。下車後も隧道を徒歩で進む。山の内部なのでやたらと肌寒い。そして長いトンネルを抜けると、そこは黒部湖であった。
Shanに「黒部湖だ」と告げると勝手にクロネコと空耳。猫好きにも程がある。足元はすでにアーチ状の堤体の端であり、右手の方には休憩所と、展望デッキに続く階段が見えた。
早速、その一見頼りなさげな階段を上り展望デッキへ。谷底からの高さは約180mもありなかなかスリリング。最上部のデッキに着くとダム全体をきれいに一望できた。
実際に見た黒部ダムは巨大なコンクリートの化け物。期待を上回る壮観な眺めで、人間が米粒のように小さい。Shanも「おー!」と叫んだり、杜甫の詩を吟じたりと、色々行った中でもかなり強い部類の反応を示していた。
意外に感じたのは、音が思ったよりも静かなこと。霧吹きのような感じで噴き出しているせいか、滝のようにドドドといった轟く落下音はない。
パンフレットで見た虹は残念ながらかかっていなかった。太陽は出ていたので一時フォトショ疑惑も浮上したが、堤体の真上から見下ろしたときに何とか見ることができた。
ダムをしっかり堪能した後は、さらに先へと進んだ。ケーブルカーとロープウェイを乗り継いで大観峰を目指す。室堂より先は往復が大変なので、いつかの北陸滞在の機会に。
このケーブルカーは高低差373mの急勾配を5分で登り切る。仕組み的にはほぼエレベーターで、香港のピークトラムと同じ。東京タワーで333mなので、下を覗くと結構迫力がある。
途中で停電したらどうなるのか若い運転手さんに聞くと、「実は雷に弱いんですよ。つい先月も停まって・・・」と。落ちることはないそうだが、暗闇で立ち往生はかなわない。
そんな不安をよそにあっという間に黒部平駅に着いた後は、標高2300mの大観峰まで一気にロープウェイで向かう。
大観峰は駅の建物ひとつで歩き回るスペースは全くないが、屋上展望台からは後立山連峰や黒部湖などが見渡せた。
駅二階のテラスにはまだぶ厚い雪が残っていた。親切な従業員さんがロープの中に入れてくれたので、少し控えめに久しぶりの雪を触ってきた。
その後は売店を見たりしながら来た道を引き返した。黒部湖では慰霊碑や湧き水なんかも見てトロバスを待ち、歩いて空腹だったが夕食は松本市内に戻ってから取った。7月になり今年も上半期が終了。松本もいよいよあと1週間。