熊本暮らしも10日が経過。到着直後こそ日用品の買い出しでバタバタしたものの、その後は自炊をしながら映画を見たり、近場の開拓に出掛けたりと、既にすっかり根を下ろした感がある。
観光については第一弾として熊本城に行ってきた。世界的旅行口コミサイトTripAdvisorの「行ってよかった名城ランキング2014」では堂々の第一位に輝いており、図らずも全国の城を見てまわる形になっている自分としてはここは外せない。
当日は城の西側にある二の丸から入城。長塀に囲まれた広場を通り抜けると、早くも黒々とした櫓や天守の頭がのぞく。今回の滞在では何度かガイド役に回りそうなので、チケットは年間パス。神奈川の住所を書くと受付の方は怪訝そうな顔をしていた。
入城ゲートを抜けると早速巨大な連立天守が見えてくる。江戸期には戦火を免れたものの、明治に入って官軍の拠点となり西南戦争で焼失。その後、1960年にRC造で復元されたのだとか。
その天守に入る前にまずは左手にある宇土櫓をチェック。まるで天守のような形の櫓だが、実際に「第3の天守」とも呼ばれているそうで、建物はなんと約400年前の築城当時のまま。
入口のおじさんによるとかつては国宝だったが、耐震補強の筋交いを入れたせいで指定を外されてしまったのだそう。だが天守を見て「あっちはビルだからな」と古い櫓への愛を語ってくれた。
櫓の次は穴太衆という近江の石工集団が作り上げた二様の石垣を見物。勾配が急な方が時代が新しく、難度の高い石垣なんだそう。その後はさらに隣接する梅林や長屋なども巡ってみる。
と、まあここまで見ていよいよ天守と思ったところ、13時を過ぎてShanの空腹が限界に。ゴネて退屈そうにし始めたので、団子を食わせたりするも説得に失敗。年間パスもあるため、結局途中で退出し昼食に向かうことに。。
そうして訪れたのは熊本駅の近くにある黒亭という地元で有名な熊本ラーメン店。注文は一番人気らしい玉子ラーメンにした。
濃厚かつ脂少なめの豚骨スープに焦がしにんにく。香ばしく割とハッキリした味だが、黄身に麺を絡めるとまろやかになってより絶妙なバランスに。Shanもようやく落ち着きを取り戻す。
また、別の日には水前寺成趣園という日本庭園にも遊びに行ってきた。ここは熊本藩主細川氏の手になる大名庭園で、金沢でいえば兼六園のような位置付けの場所。
まずは敷地内にある出水神社の参道で熊本名物のカラシ蓮根やいきなり団子を購入。その足で園内へ入ると、なだらかな築山と芝生の美しい爽やかな印象の庭園が広がる。
池の水は湧水らしくとても澄んでいるが、熊本自体、町の水道水がすべて地下水という世界的にも珍しい都市。「水道からミネラルウォーター」なんて言うほどだそうだが、”火の国”に来たと思ったら実は水の国だったらしい。
庭園の方は東海道五十三次を模した回遊式とのこと。目立つ大きな築山はやっぱり富士山かと納得したが、そのほかは全く見当がつかず、どの辺が何なのか解説が欲しかったところ。。
細川氏を祀った出水神社では、Shanが細川家の家紋を「カラシレンコン」とか言っていたのを神社の関係者に聞かれなかったのは幸いだった。。そのほか細川藤孝、忠利両氏の像などを見る。
帰り際には参道の店で親切そうな地元のお姉さんとも出会ったので、また熊本情報を教えてもらいに行こうかと思う。ちなみに昼食はというとこの日も熊本ラーメンを攻め、火の国文龍という「熊本最強のこってり」を名乗る店へ。
背脂を散らした凄いビジュアルの豚骨だったが、濃いというよりはとろみがあってまったり。これに辛子味噌や高菜、胡麻、ニンニクなどを自由にトッピングして作り上げた最終形態は、他の有名店にまったく引けを取らない味と満足度だった。
まだ夜は九州も肌寒い日が多いが、これからしばらくは新緑の季節。今回は約3か月と長めの滞在になるので、海も、山も、街もあるこの熊本をしっかりと満喫していきたいと思う。





















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