今日で熊本へ来て1か月。第一印象は思ったより都会で少しアウェイ感を感じたこの街もほぼ勝手が分かり、「~と?」とか「~たい」なんて熊本弁にもすっかり愛着が湧いてきた。
観光の方はというと、前回までの記録に加えて阿蘇方面にも何度か出掛けてきた。夜まで出られる日が少なく回数が嵩むことになったが、初めて阿蘇を訪れたのは4月初旬のこと。まずは南阿蘇から宮崎県の高千穂峡へと抜けるルートを開拓しに行ってきた。
阿蘇はご存知世界有数のカルデラに囲まれた火山の町。熊本市からは国道が伸びており車で東へ1時間少々。当日は途中、萌の里という道の駅的な場所で休憩しカラシ蓮根をかじった。
その先の俵山峠では展望所から阿蘇山を一望。阿蘇山は街の外周をぐるりと囲うカルデラの縁の外輪山と、中央に聳える阿蘇五岳からなるが、これはその五岳を南の外輪山から見た景色。
南阿蘇に着いてからはまず昼食のため、デノリーズ・ダイナーというアメリカンな雰囲気の店に立ち寄った。日によってはロックのライブなんかも催しているハンバーガーショップ。
ここで阿蘇名物あか牛の醤油味ピラフとハンバーガーを完食。美味かったが大盛でも良かったといつもの後悔。
昼食の後は再び進路を東へ向け、五岳の東端にある根子岳の南を通り抜ける。かじられたような頭が印象的なネコ岳?だったが、帰って調べてみると本当にネコに関する山らしく、熊本のネコは7歳になるとこの根子岳に修行に来ると言われているんだとか。
8歳でいまだに子猫気分のうちのネコも根性を鍛え直してもらいたいところだったが、修行で成長した姿が人を食べる化け猫らしいのでちょっと方向性が違う模様。。そうして阿蘇からさらに南東へ走ること約1時間。ついに高千穂峡に到着。
古そうな石橋の下には両岸の高さが7mほどもある川が見える。その川に沿って見事な柱状節理を眺めながら遊歩道を歩いていくと、不意に「ガツン、ガツン」と不思議な音が聴こえてきた。
何かと思えば有名な真名井の滝の下で、客たちのボートが岸壁にぶつかる音。それでいいのか心配になるくらいだったが、新緑の眩しい高千穂峡は眺めているだけで心が洗われるような、まさに癒しの観光スポットだった。
その後は牧場や道の駅に寄るなどしてこの日は帰路に就いた。4月の中旬になると再び日中の時間を利用して今度は北阿蘇へ。この時はミルクロードという北西の外輪山を抜ける道を使った。
最初に立ち寄ったのは通称”ラピュタの道”。一見ただの山道の分岐点だが、そこからの景色は絶景と評判らしい。そうとされる場所まで来てみると、「危険」の看板と想像以上にボロい道。
しかし、その向こうに目をやると確かに広がる雄大な景色。それを眺めながら握り飯を頬張る工事トラックのお兄さんが、脇道を歩いて先まで行くともっと眺めがいいというので、そちらの方へ行ってみる。すると、阿蘇の北半分がすべて見渡せる大パノラマ。
田畑の緑が美しい阿蘇の町と、それを長城のように囲う外輪山。右に目を向けると今度は中央に立ち並ぶ阿蘇五岳も見える。言われるように仏の仰向けの寝姿にも見えたが、鼻づまり気味なのか口が開いてしまっているのがなんだか可愛らしい。
ラピュタの道はというとこちら。実物はなかなかの迫力で、天空に浮かぶ道という感じはよく理解できる。
この道をゆっくりと下りていくと、北阿蘇で最も有名なランチ処いまきん食堂に辿り着く。阿蘇のあか牛を使った丼は、柔らかい赤身の肉にワサビや味噌が利いてなかなかいい味。
その後は阿蘇の物産店で食品を仕入れ、阿蘇五岳を越えてみることに。火山活動の警戒レベルが2だったため、火口付近には立ち入ることができなかったが、草千里ヶ浜などを見て回った。
阿蘇や高千穂は水量や緑の色づきのピークが夏ということで、この時期はまだまだこれからといった感じだったが、それでも地球の壮大な営みの一端を感じられてとても良かったと思う。4月末からの噴煙が今後収まるようなら、今度はヒライのご当地弁当でも持ってまたのんびりと遊びに行きたい。
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