伝統の町山鹿を探索。八千代座、山鹿灯籠

先日は熊本タウンを離れて近郊の町、山鹿市へとドライブに行ってきた。熊本といえば山の阿蘇、海の天草が二大観光地になるが、天気の冴えないこの日は伝統の町、山鹿を選択した。

山鹿は大和王朝時代の古墳が点在するなどその歴史は古く、近世には交通の要衝として発展。また温泉が出ることから、温泉町としても賑わってきたのだそう。

山鹿のさくら湯

今回、最初に訪れたのもさくら湯という名の温泉浴場。熊本藩細川家によって約370年前に整備されたもので、開業時には細川忠利の客分であった晩年の宮本武蔵も招待されている。

宮本武蔵像

ただ、気温の高かったこの日は見物だけで満足してしまい、すぐ向かいにある彩座という店で昼食をとることに。

彩座

ここで食べたのはラーメンと双璧をなす熊本の名物、馬肉料理。馬刺しなら全国的にも見かけると思うが、熊本では牛肉のようにフタエゴだとか、タテガミ(の付け根)だとか、食べる部位が細分化されており、その調理方法も実に様々。

それを嬉しいと思うかどうかはまあ人それぞれだろうが、せっかくの名物ということでこの日は馬刺し重、握り、ユッケ、ごろ馬カレーなどを試しに頼んでみた。

彩座の馬刺し重

この馬刺し重は、白いご飯の上に玉葱やモヤシの炒め物と薄切りの馬肉がのり、その上から薬味と熱々のダシをかけるというこの店のオリジナル料理。先入観のない人なら十分に楽しめる一品。

握りは肉が薄すぎたが、いずれも臭みはまったくなく、カレーはむしろその辺のビーフより余程うまい。馬もなま物も食べる習慣のないShanは顔が固まっていたが、一口ずつ何とか異文化交流。

八千代座へ

そんな昼食の後はブラブラ歩いて次の目的地、八千代座という明治期の劇場へ。途中、空海が開いたという金剛乗寺に立ち寄る。ここはかつて西の高野山と呼ばれるほど栄えていたのだとか。

金剛乗寺

その金剛乗寺を過ぎると、すぐに八千代座が見えてきた。

八千代座

向かいの夢小蔵という資料館で入場券を買うと、綾小路きみまろ風の語り口を持つ山鹿出身のおじさんがガイドをしてくれた。

八千代座の内部

何でも八千代座は明治期にこの地の商人達が資金を出し合って建てた芝居小屋で、当時は接待での利用も多かったとか。昭和期には映画館として使用され、その後一時廃れたものの、平成に入って有志の方の努力で坂東玉三郎公演を実現。大改修の運びとなった。

八千代座の舞台正面

現在は申請すると一般の利用も可能。最近では映画『るろうに剣心』のロケ地としても使用されている。時代が変わっても変わらぬ物とよくいうが、”変わってきたからこそ今も変わらぬ姿でいるのだ”という方がこの場合本当なんだろう。

山鹿おじさんの小気味良い解説を聞き、舞台裏まで覗かせていただいた後は少し戻るようにして山鹿灯籠民芸館へ。

山鹿民芸灯籠館

ここでは山鹿の特産品、山鹿灯籠の作品を見学した。山鹿灯籠は全てが和紙だけで作られた灯籠で、灯籠だけでなく有名な建築物まで再現してしまう見応えのある工芸品。

山鹿灯籠

山鹿灯籠の熊本城

民芸館の奥では山鹿灯籠の制作を受け継いでいる20代半ばのお兄さんが作業をしていた。若さとのギャップがなんだか清々しかったが、そこへまた新たに解説のおじさんが登場。

そのおじさん、山鹿灯籠や夏の山鹿灯籠祭りについて色々教えてくれたが、何でも現在近世以前に描かれた龍の爪が5本の絵を探しているのだそう。そのために先月も韓国まで行ってきたのだとか。幾つになっても歴史の浪漫を追い駆ける姿に何だか共感。

さくら湯の天井絵

その後はさらに7世紀に築城されたいう山城、鞠智城へ。城といってもいつもの江戸期のそれではない。広がる自然と、そこにポツリポツリと立つ木造の建築物。この時代の人々はまだ山や森と共に生きていたんだなと、そう感じるような場所だった。

鞠智城

帰り道には偶然見つけた孔子公園という場所にも立ち寄った。泗水町と山東省との友好記念のような場所だったが、子供が駆け回る傍らには『論語』の名言が随所に掲げられていた。

孔子公園

そのどれもが何だか当たり前の事ばかり言っているのだが、誰もが当たり前と思ってしまうほど、長きに渡って東アジアの教育のベースとなってきた事実にこそ、孔子の凄さはあるんだろう。

孔子公園の孔子像

温泉に始まり孔子に終わる一貫性に欠ける小トリップではあったが、その後は家に帰り自炊した。熊本へ来て間もなく3週間。楽しい反面、仕事の面では少し停滞感もあるが、「速やかならんと欲すれば則ち達せず、小利を見れば則ち大事成らず」と、都合よく孔子殿の言葉を拝借して今後もただただ精進あるのみ。

伝統の町山鹿を探索。八千代座、山鹿灯籠」への4件のフィードバック

  1. SAWA

    お?記事ページのヘッダがさわやかになった?
    画像周りも含めて徐々にフラットデザインが浸透してきてますな。

    熊本の歴史しっかり学んでるねぇ~。異国情緒漂う街並みもステキ。
    グルメや景色だけで終わらないあたりは見習わなきゃいかんが
    そこまで労力を掛けようと思うと記事が書けなくなるっていう。。
    これだけきみまろ氏にマークされたならツーショットも拝見したいところだね!
    男のロマンは永遠の輝き!!

    この馬肉は生ハムみたいに薄ければ薄いほど美味しいとされてるんだろうか・・?
    元々の味はそれ程なさそうだからダシが重要な料理なんでしょうなぁ~。
    それにしても最後の孔子像が亡霊のような様相になっているんだが、
    子供に教えを諭すことができるんだろうか?w

    返信
    1. ari.d5233 投稿作成者

      デザインなんてずっと弄ってないはずだけど、
      たぶん最近立て続けにあったWordpressの更新のせいでしょうな。。
      このサイトは古くて子テーマ使ってなかったから結構面倒だったTT

      歴史については基本的にはご存知純文系の性格なので、
      どこへ行ってもその辺はチェックしたくなってしまいますなあ
      問題は行って覚えた知識をどんどん忘れていくという。。
      早く天草行ってDHAを摂取してこなければー

      馬の方はおっしゃるとおりまさに生ハム状態だった!
      おいしさのためなのかコスト削減なのかは悩ましいところだが、
      また市内の有名店なんかも周って比較してきますわ~
      約一名やや抵抗しそうではありますが。。
      ちなみに孔子はこれがかっこいいんだと何度言ったらわか(ry

      返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です