梅雨入りも間近に迫った5月末には、雨が多くなる前にと長崎へ一泊で旅行に行ってきた。長崎といってもイメージは三時のおやつが文明堂らしいという事くらいだったが、九州観光の雑誌などを見ていると、その紙面の割き方は完全にメイン扱い。
なので今回は期待して、自分にしてはかなり綿密に計画した泊まりでの遠征を実行することにした。当日はまだ空気の冷たい朝5時半起きと、これまた自分にしてはあり得ない早さで出発。まずは熊本港からカーフェリーに乗り込んだ。
前日に見た映画の余韻で寝つけずにほぼ徹夜だったというShanは、ソファー型の客席に着くとすぐにダウン。自分は沖縄以来の船旅に、勝手に盛り上がって船尾で無駄に風を感じていた。
この船は有明海を挟んだ対岸の島原までを約30分で結んでいる。航海の途中からは予報通り空も晴れ上がり、手前の眉山、そして奥に控える雲仙岳が徐々に大きく見えてきた。
島原に上陸すると観光は翌日に回し、まずは一路、長崎市の浦上地区を目指した。諫早市を抜けて運転すること約1時間半。最初の目的地である長崎原爆資料館に到着。
長崎は先の大戦で第二の原爆投下地となってしまったが、その爆心地がこの浦上。元々米軍は小倉に投下する予定だったが、気象などの都合でこの場所になってしまったのだそう。
熱や爆風で消し飛んだ街。焼き付いた影や、いびつに変形した金属製品。すべてをこのソフトボール大の核物質が引き起こしたという事が文系脳には信じ難かったが、その力で今は生活の光も灯しているのだから、人の業というのも何だか深い。
ともすると実感の沸かない物静かな展示室で、ない想像力を振り絞りながら資料を見た後は、隣にある原爆落下の中心地、いわゆるグラウンド・ゼロまで歩くことに。約70年前の夏の日。この見上げた空の先、上空約500mで原爆は炸裂したのだそう。
近くにはおあつらえ向きにも平和の象徴、白い鳩がいた。まあ本人はきっと餌なんかを探して通りかかっただけなんだろうが。。
落下地点の後はさらに平和公園へと足を伸ばす。想像以上に巨大な平和祈念像は漫画っぽい顔がやや気にかかるものの、平和の重みをどっしりと体現したような渾身の作品だった。
また、世界各国から寄贈された数々のオブジェもあり、その中には中国のものも。女神像のような彫刻作品で、裏には改革派、親日派の胡耀邦元国家主席の揮毫があった。
当然だが病気でも家庭問題でも起きてから直すより予防した方が遥かに代償は少ないわけで、平和というのも平和なうちに考えておかなければ、取り返しのつかない事になるということかなと。
まあまず自分の生活の平和を守ってろというのも一理だが、普段あまり機会もないだけに、”平和の続け方”なんてことにじっくり思いを致すのも悪くはなかった。そしてそんな話をしつつ、次に歩いて向かったのは浦上天主堂。
天主堂とはキリスト教の礼拝所のことで、ここは原爆によって一度破壊されているが、再建されて現在も現役の教会として機能している。さすがに天草のものよりも規模が大きく、海の底をイメージさせるような一面ブルーのステンドグラスが美しかった。
聖堂で心を洗い終えた後は、再び車に乗り込んで長崎市の中心部へと移動。まずは昼食のため思案橋という旧花街の繁華街を訪れ、長崎ちゃんぽんに挑戦した。選んだ店は長崎出身の福山雅治がいきつけにしているという思案橋ラーメン。
長崎のちゃんぽんはマイルドな味が多いという話だったが、ここの看板は”バクダンちゃんぽん”というニンニクの豪快に乗った力強いメニュー。麺は表面のつるつるした柔らかめの太麺で、豚骨や魚介、野菜などの出汁が混然一体となったスープがやたらとうまい。
オプションの辛味噌はスープの味を全部染めてしまうのでむしろなくてもOK。何でもコッテリ派の二人は存分に満足し、食後は次の目的地、出島を目指して再び歩き出すこととした。
その途中、瀟洒な洋館があるなと思い近寄ってみると、なんとこれがまさかの交番。それなりにあちこち全国を見てきたが、ここまで洒落た交番は初めて。長崎恐るべし。。
また出島の少し手前では新地中華街にも立ち寄った。長崎の中華街は横浜や神戸と並ぶ国内有数のチャイナタウン。ただ、規模の面ではやはり我らが?横浜に軍配が上がる。パンダだらけの雑貨屋を冷かしたりなんかしながら通り抜けた。
そうして辿り着いた出島は、ご存じ江戸幕府で唯一海外との交渉が許された場所。ミニ出島や映像など見るべきところもあったが、現在は埋め立てですでに海には突き出ておらず、あいにく改修中の建物も多くて期待ほどそれっぽさは感じられなかった。
が、しかしこの日はまだまだこれで終わらず、続いて向かったのはオランダ坂。明治以来の洋風邸宅が立ち並ぶ一角で、横浜でいえば山手地区のような場所になる。ここでは一時修学旅行生達に飲み込まれるなどしたが、洋館と写真を撮ったりという感じで楽しんだ。
オランダ坂を脇に下ったところでは、海外で唯一華僑が自ら建てた孔子廟も見学。唐人から西洋人まで幅広く居住していた長崎だけあって、狭いエリアに和洋中が混在しているのが面白い。
Shanからは「山東省(孔子の故郷)に行った時も寄らなかったのに」などと文句が出たが、自国のものの有難味が薄いのはどこも一緒らしい。そのわりに書道体験コーナーでは久しぶりに筆を取って楽しそうにしていた。
また、孔子廟の奥には中国歴代博物館というミュージアムもあった。何でも本場の北京故宮博物院と提携しているらしく、展示物は青銅器や陶磁器を中心になかなか本格的。
そんな孔子廟で遊んだ後はいよいよ有名なグラバー園へと向かう。グラバー園は山の斜面にあるため通常はふもと側の正面ゲートから入園するが、今回は山頂側の第2ゲートから入ることにした。その理由がこのグラバースカイロード。
何でもこいつがキツい坂道を一気に第2ゲートまで運んでくれるらしい。香港のような長いエスカレーターかと思いきや、見た目は普通のエレベーター。しかし最上階を押して扉を閉めると、突然斜め上方向へ移動し始めるという驚愕の展開。
思わぬ楽しい乗り物にテンションが上がりつつ最上階で降りると、今度は眼下に長崎の港と街が一望できる絶景が広がっていた。
とりわけ印象的だったのは、うず高く積み重なるようにして立つ家屋の集合体。日本ではあまり見ないような光景に、Shanも周りの修学旅行生もさすがに感嘆の声をあげていた。
いかにも長崎といった景色との突然の出会いに感謝しつつ、そこからすぐのグラバー園に入場。ここは明治維新や日本近代化の力となった英国商人トーマス・グラバーの旧居をはじめ、同時期の洋館が多数移築されている公園。
これらの住宅は一見洋風だが、実は屋根が瓦葺きになっている。そんな和洋折衷も長崎らしい。ほかにも海を眺めながらコーヒーを飲んだり、敷地内でクラシカルなドレスを着て写真を撮るなどできる。夏の夜にはビアガーデンにも早変わりするんだそう。
日が傾くまでそんなグラバー園で過ごした後は、正面ゲートを出てすぐの大浦天主堂も訪れてみた。この天主堂は1865年に建立された日本最古のキリスト教会で、国宝にも指定されている。
午前中に訪れた浦上天主堂よりやや手狭なものの、こちらは木の温もりを感じるような暖かな造りで、夕陽を受けた色とりどりのステンドグラスがまた趣の異なる美しさだった。
その後は路面電車に乗って車の停めてある思案橋へと帰還。予約した立山山上のホテル長崎にチェックインした。見たところかなり古いホテルだったが、何と言っても景色が一級品。夜には噂の新世界三大夜景も浴衣でごろごろしながら楽しめてしまった。
締めには有名な稲佐山からの夜景も考えたが、朝からのハードワークで夕食と風呂を済ませた頃には体力ゲージは完全に0。なのでこの夜は素直に翌日に備えて休むことにした。
いつになくダラダラと長くなったが、珍しく計画性のある行動によって、異文化の混ざり合う港町、長崎の魅力をある程度は掬い取ることができたのではないかなと思う。二日目はいよいよ学生時代から気になっていた軍艦島の上陸ツアーにも参加してきた。その様子も後日、また残しておきたいと思う。
とりあえず・・・ながっ!!
でもこれだけギッシリ観光スポット巡って写真と文章で残してくれると
まるで自分が行ったような気分になれますな♪
あり得ないほど早朝に出発した甲斐があったというものw
原爆にまつわる資料館や出島は日本人として1度は行っておかなきゃいかん
場所ですなぁ。短期間の旅行だとつい優先順位的に外してしまいがちだけど
もし長崎に行くような機会があれば、日本の歴史に直に触れに行こうと思う!
だが、やはり一番気になってしまうのは花より団子ということで
本場のちゃんぽんかね?
リンガーハットでも十分満足しちゃう口だけど、本場の味はまた違うのかな。
伊豆、長崎、福岡、伊丹、ハワイ。
行きたいところは山のようにあるけど、一人でフラッとスケジュール組んで
行動できない環境が一番辛いわ。。
グラバースカイロード凄っ!
と思いきや、東山スカイタワーの麓にあるエレベーターも実は斜め移動でっせ!
しかし街並みは明らかにこちらの方が奇麗ですな。。
九州の街並みはどこか懐古な雰囲気が漂ってて暖色系が似合う。そんなイメージ。
夏場の強い日差しが似合ってます!
自分でも長ぇ・・・とは思ったよ; 朝が早いと一日が長い!
それと行ったところは几帳面に全部残したいというA型の執念でしょうか。。
長崎は細かく全部まわるとかなりボリューミーで、
これでも歴史文化博物館とか、唐寺とか、亀山社中記念館とか、
無念だがだいぶはしょることになったTT
なお、ちゃんぽんは長崎の人もリンガーハット好きらしいw
しかし斜めエレベーターで興奮してたらそんな身近にあったとは。
東山動植物園はなにげに全国レベルのスポットだからね。。
ぶらっと写真撮りに行くには絶好の場所だなあ。
あと撮影を軸にするなら、確かにソロの方が幅は出ますな。
Shanを待たさないようにささっと撮るのが意外と大変ちゃあ大変。。
いつか機材揃えられる日まで、身のこなしの方をまずは鍛えておきます!
わたし、もう決めたわ!この町にする!(u_u)
みーもきっと気に入ってくれるはず(=^ェ^=)♡
君は魔女じゃないから!みーもジジじゃないからね!