真夏でも水道水がめちゃくちゃ冷たいとか、家には基本エアコンがないだとか、札幌に来て驚いた事というのはいくつもあるわけだが、その中でも最も唖然としたのはもしかすると北海道の半端ない広さかもしれない。
これまで近場を中心に周ってきたはずだが、それでも片道2時間なんてことはザラだった。なので道北や道東のことを考えると今から頭が痛いんだが、8月最後の週末はそんな道東の初級編とも言える十勝地方へとドライブに行ってきた。
札幌から十勝の中心都市帯広までは約200kmの2時間半。にもかかわらずこの日は二人揃って1時間寝坊し、さらに途中で道まで間違えるという失態続き。出だしからまあ散々だったが、こんな日もあるかと開き直ってまず立ち寄ったのは十勝千年の森。
ここは壮大な自然が感じられるデザイナーズガーデンとのことだったが、いざ入場してみると何だろうこの粗雑な感じは。。まだ8月だというのに花にはインパクトがなく、オブジェも無駄に見難い位置にあるなど、見所がどうもつかめない。
遠くにある千年の丘などはもはやただのハゲ山に見える。。曇り空の分を割り引いても、これで旭山動物園を上回る強気の入場料を取れているのは宣伝力のなせる業なんだろうか。。
せめてその集めた料金で羊たちが豊かな生活を送ってくれることを祈りつつ、1時間足らずでここは撤収することとした。
スタートの遅れたこの日はこの時点ですでに昼食タイム。なので次は十勝名物の豚丼を食べようと、牧歌的な景色の十勝平野を南下して中札内村にあるレストハウスかしわを訪れた。
ここは帯広市から約30分と不便な場所にあるが、フライパン系と炭火焼き系とがある豚丼の後者の方の有名店。肉は一見固そうだが、使っているのはかみこみ豚といって、赤身に脂が差した100頭に3~5頭というレアな豚のロース肉らしい。
並んだうえ丁寧に焼くからか回転が悪く、結局食べ始めまでに約1時間かかったが、柔らかくジューシーな豚肉と甘めのタレ、炭の香ばしさが絶妙で、さすがに評判通りの味の絶品豚丼だった。
そんな十勝名物を堪能した後は、続けて近くの花畑牧場へと向かってみる。途中、牧草地に乳牛たちのいる景色が、まるで牛乳パックの絵柄のようでいかにも十勝らしかった。
花畑牧場は生キャラメルで一世を風靡した有名な牧場。その割りにはあまり大きくないが、夕張などにも他に工場があるんだそう。
現在は商品の多角化を進めていて、チーズやポークなどにも力を入れているのだとか。こちらは熟成中のゴールデンゴーダチーズ。
イートインではそんなここの食材を使用した生キャラメルソフトとカタラーナを食べたがなかなか美味かった。また、牧場だけに動物もいて、各種馬や兎、それに奇術師みたいな不思議な顔をしたリャマなども。
牧場でのんびりした時間を過ごした後は、帯広市へと引き返して今度は帯広競馬場を訪れた。駐車場に車を停めると、まず見えて来るのは十勝の産直市場とかちむら。
ここでプチぷよというサクランボ食感のプチトマトだとか、例によってあれこれ野菜を物色していると、北海道感あふれるなかなかの一品を発見。何でもまず口に入れてみる自分も、さすがにこれは少し考えてからにすることに。。
そしてその産直市場を出た先にあるのが競馬場。ここでは全国で唯一の輓馬による競馬、ばんえい競馬が開催されている。輓馬とは開拓時代から伝統の続く荷を引くための大型馬のこと。
コースは周回型ではなく、途中に起伏のある直線型。観客は中年男性が主だが、中には若者のグループなどもちらほら。
自分は競馬の経験はほぼゼロだが、サラブレッドの倍に当たる体重約1tの輓馬を見てみたくて今回立ち寄ることにした。馬には待機所で接近できたが、体高こそあまり変わらないものの、実物は体の幅や足の太さが物凄い迫力。
また写真はブレてしまったが、馬たちは長いタテガミを綺麗に編み込んでいる。それが強靭な肉体とともに、まるでアパッチ・インディアンのような精悍さを感じさせた。
そして時間になると各馬位置について一斉にスタート。重さ1tのソリを曳きながらの競争はスピード感こそないものの、逆転が起こりやすいのかゴール前ではみな熱くなって応援していた。
そんなレースをいくらか見ていたらこの日もいい時間に。夕食には少し早かったが、せっかくなので帯広のソウルフードだというインデアンカレーとやらを最後に食べてみることにした。
牛肉と数十種類のスパイスを使ったというこのカレーが帯広でかなりの人気なんだそう。出てくると見た目は金沢カレーにそっくり。量、辛さ、トッピングが選択可で、飾り気こそまったくないが、ルーはコクがあって確かに美味だった。
寝坊から始まって予定をいくつも削った十勝遠征だったが、それでもいつも飲むミルクの故郷がどんな場所かくらいはつかむことができたと思う。9月に入ってからは支笏湖などにも行ってきたので、その辺もまた後日にて。




















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