先週末は来たばかりながら早速静岡を離れ、山梨県の甲府市へと遊びに行ってきた。富士宮から富士山麓に沿って北上すること約60km。たどり着いた甲府駅前は、さすがワイン王国だけあってワインを出す店の看板があちこちで目についた。
車で来たことをやや後悔しつつも、まずは最初に山梨ジュエリーミュージアムへと向かう。甲府は古くから水晶の産地で、江戸の昔から宝飾産業が盛んなんだそう。ポスター上の作品は骨の中の微生物までダイヤで表現するほど芸が細かい。
展示作品のほか映像資料なども見ていたらすぐに昼時になったため、続いて向かったのは山梨郷土料理の店小作。
和風な店内に招き入れられると、早速有名な山梨名物のほうとうを注文した。正直この暑さの中どうかとも思ったが、店内の効きのいい冷房を頼りにせっかくだからとオーダー。
Shanには念のためほうとうの”ざる”版らしいおざらも注文。初めて食べたが、揚げや根菜の入った醤油系の温かいつけ汁がホッとする味わい。もちもちのほうとうと相性バッチリだった。
通常のほうとうの方も期待通りに美味かったが、熱々の鉄鍋で来るから冷房があってもやっぱり暑い。そして量がまたやばかった。これでもかと具が入っているので、山梨では気分に任せた安易な大盛は決してオススメできない。。
などと郷土料理を堪能した後は、ぶらぶら甲斐の英雄信玄公像を見に行った。なかなかの迫力だと思ったが、信玄餅しか知らないShanは「この人少し太いね」とまあ身も蓋もない感想。
その後はそのまま駅ビルに当たるセレオの前を通り過ぎ、駅の東側にある甲州夢小路なる場所を目指した。なんでも江戸から明治期の甲府の建物を再現した観光地なのだそう。
土蔵などを模した建物の中はお洒落な雑貨屋やカフェになっていて、ここで山梨銘菓の信玄餅がまさかの進化を遂げている事実が発覚。信玄餅がソフトやパフェ、果ては揚げパンにまでなっていたが、その中から今回挑戦したのは信玄生プリン。
きな粉香るプリン本体の下層にはやや固めな抹茶プリンが配置され、これは見つけたらぜひ食べるべき逸品だった。また珈琲とともにしばらく寛いだ後は、南隣の舞鶴城公園にも立ち寄ってみた。ここは明治に取り壊された甲府城の城址。
石垣などは10m程ありそうにも思われ想像以上に立派。天守の代わりに謎の石柱が立っていたのがどうも締まらなかったが、市内が一望できる気持ちのいい公園だった。
そうして再び甲府駅の方へと戻ると、北口の広場で何やらイベントが開催されている様子。
オクトーバーフェストかと思ったが、よく見ると人々が飲んでいるのはワイン。春の蔵出しワインバーという催しだそうで、約180の国産ワインがグラス単位で味わえるらしい。
山梨らしい楽しそうなイベントだったが、運転で飲めない自分たちは心で泣きながらその場を後にした。そして車に乗り込むと、今度は街の北の端にある武田神社を訪れる。
今でこそ静かな雰囲気の神社だが、ここはかつて躑躅ヶ崎館と呼ばれた甲斐武田氏の居館があった場所。甲信地方発展の基礎を築いた武田信玄も、この場所で生活し政務を行っていた。
参道は今でも市の中心部まで真っ直ぐに伸びており、何だか当時の都市計画が偲ばれる。山側のやや高い場所に位置していて、当然城砦としての機能も備えていた。そのため神社なのに日本100名城に数えられているのだそう。
武田宝物館の前のキティちゃんがキャッチーすぎる気もしたが、既に餅にもなっていることだし、さすがの信玄公ももはや諦めの境地といったところだろうか。
神社の後はせっかくなのでと信玄公の墓所も参拝。華美なところは一切なく、ひっそりとした小道に面した静かな場所にあった。
そして最後に訪れたのは甲斐善光寺。上杉謙信との抗争で信濃善光寺に戦火が及ぶことを恐れた信玄が、宝物ごとこの地に移築したのだとか。江戸時代から一度も焼けていないそうで、年季の入った巨大な本堂が印象的だった。
観光を終えるといい時間になったので夕食へ。かぶりを恐れず再び郷土料理の奈良田という店を訪れた。猪鍋狙いだったがShanが難色を示し、結局ほうとうの亜種というのか、勘助餅とみみの入ったよっちゃばれ鍋という料理を選択。
テレビで取り上げられたという親子丼は、卵の味が濃厚でShanがとても気に入っていた。郷土料理は他にも岩茸や鳥のもつ煮など定番を一通り制覇。昼も夜もとちょっとしつこかったが、山梨の味は今回で胃に深く刻み込まれたように思う。
夕食の後は名古屋時代の友人夫婦が実家のある甲府市に戻っていたので、ちょっとお邪魔して歓談タイム。次回は泊まりでという話になったので、今度山梨に来るときはワイナリー巡りに精を出すことができそうだった。
このところは曇り空が続きそろそろ梅雨の気配。あれだけ大きく見えた富士山も姿が隠れてしまっているが、雨の静岡もまた楽しめるよう毎日を過ごしていけたらと思う。
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